MVPをあげたかった薬学実習生の話

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こんにちは!アラサー薬剤師の”むに”です!!

私は小さな調剤薬局に勤めて6年になりますが、私が入社する前から薬学実習生を受け入れている薬局でして、1年間で6人受け入れています。

これは小さな薬局にしては、よくやってるなあという感じです。(平均は2~3人/年)

毎年6人も受け入れていると、個性豊かなメンバーがまあたくさん来てくれて、おもいがけない笑いをくれる時が多々あります。

実習期間は1回につき2か月半。(結構長い。)

この2か月半の間に、薬剤師業務を実践してもらうのですが、調剤をしたり、服薬指導をしたり、多職種の方と連携を取ったり、在宅医療に関わったりなど、薬局によってですが、タイトなスケジュールで様々な業務が組み込まれています。

学生にとってはインターンのような感じなので、実際の就職を考える上でも、とてもいい経験になる期間です。

最大の難関

実習生からの実際の声ですが、毎年口を揃えて言われるのが、「服薬指導」というカリキュラムが実習生にとって最大の難関のようです。

実習生は、なかなか一発目で上手くいくことはなく、最初は会話が続かなかったり、考え込んでしまい、レスポンスに間が開いてしまったりと苦戦している場面をよく目の当たりにします。

でも実習生はそれでいいのです。

確かに、知らない方とコミュニケーションを取って、信用を築いていくという面では、実習生だけでなく、現場で働く薬剤師にとっても、最大の難関でもあるので、そのくらい難しいことなのです。

実際にいた実習生(男子)の話ですが、その男の子も「服薬指導」の壁にぶち当たっている真っ最中でした。普段は薬局スタッフと普通に話して会話も盛り上がるのに、何でカウンターの前に立つと会話ができないんだろうという感じでした。

ただコミュニケーションを取るだけでは意味なし

そこで私が必ず学生に教えるのは、患者さんと心の距離を近づける方法として、相手のいいところを見つけて(外見でも内面でもOK)褒めること を伝えています。

すると、今まで表情の硬かった患者さんの表情が一気に柔らかくなり、その褒めたことについて熱く語ってくれたりするのです。

ですので、薬の話はそのあとでOK!!ということ。

そこから私たちも質問しやすくなったり、患者さんが悩みを相談してくれるようになったりと信頼関係を構築していくことができるという経験を今までたくさんしてきました。

ですので、彼にも会話のコツとして「まず会話のネタとして長所を見つけてあげて褒めることだよ!」と私の必殺技を伝えました。(笑)

すると彼は次の患者さんが来たら実践してみます!と意気込んでくれました。

挽回するために実践した結果

次に来た患者さんは毎月来局して下さっている80代の患者さんで、自転車を少し改造して、大きなパラソルを立てて日傘代わりにしてやってくる、ややキャラの強いおじいちゃんでした。

物腰も柔らかい為、実習生も服薬指導しやすい相手でもあるので、その彼にも「挽回してもらうためにも、もってこいだ!」と思い、対応してもらうことにしました。

彼はまず、”食事”について質問をしていました。

恐らく、食生活を知ることによって、生活背景を探ろうと思ったのだと思います。

そんなこんなで、食事の会話が進んでいると、急に実習生が、

「でも、●●さんって、しっかり歯も生えていらっしゃいますよね!」

という、とてもピンポイントなところを褒め始めました(笑)

その時点で私は、「ぐふふ」と内心笑っていたのですが、そのおじいちゃんから、

「これは全部入れ歯だよ!!!」

という返答がきました。(笑)

予想外の返答に彼も戸惑ってしまい、会話終了ー!!となってしまい、彼はとてもいたたまれない状態になってしまいましたが、何とか上手く会話を繋げていました。

私はその会話の流れを直接聞いていたので、腹筋崩壊するくらい笑いを堪えていました。

彼なりに頑張って長所を探したのでしょうが、何故“歯”に着目したのかは今もわかりません。(笑)

それぞれの感覚があるでしょうからそこに着目したことは全くもって否定しませんが、笑わせてくれた正直者の彼にはMVPをあげたいですし、今でもあのエピソードを超す実習生は来ていません!!

彼は、無事に試験も合格し、薬剤師として働いているという話も聞いているので、現在も大活躍していることでしょう!!

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