薬剤師のイメージといえば、「お薬を調合して、患者さんに服薬指導して、お薬を渡す」ではないでしょうか。
もちろん、これらは欠かせない仕事の1つではありますが、薬剤師が他にどのようなことをしているのかを今回はご紹介していきたいと思います。
在宅医療で活躍
私たち薬剤師は、在宅医療の場面でも活躍しています。
在宅医療というのは、患者さんの自宅などで医療サービスを提供することですが、現在、高齢者の大半が高齢者施設に入所されているため、私たち薬剤師も施設への訪問が増えています。
大半は2週間に1回の頻度で、病院やクリニックの医師が施設へ訪問し、診察(往診と呼ばれる)を行うので、それに従って処方された処方箋に基づき調剤を行います。
患者さんや介護スタッフが飲みやすいようにお薬を用法ごとにパックする一包化をし、用法ごとにマーカーなどで色線を引いた状態でセットなどをしてお届けするような流れになります。
<一包化のイメージ>
そして、しっかり服用できているか、副作用が出ていないかなどを確認するため、一人一人のお部屋へ訪問し、情報を収集して、書面などで往診をした医師とケアマネージャーへフィードバックを毎回行っています。
薬局によっては、医師と一緒に診察に立ち会う、往診同行をして、医師へのお薬の提案などもしています。
医師へお薬の提案をする時も
情報収集を行っていると、時々、お薬の飲み方に困っているという相談を受けることもあります。
例えば、「用法が1日4回で多くて飲むのが大変」や「錠剤が大きすぎて飲めない」、「飲み込む機能が落ちてきた」などが挙げられます。
用法が多い患者さんであれば、1日3回のお薬を作用の似たものの中から、1日1回で済むものに変えてみたり、錠剤が大きければ、お水を飲まなくても口の中ですぐに溶ける錠剤へ変更してみたり、飲み込み機能が落ちてきているようであれば、錠剤を粉砕して粉薬へ変更したりと、その患者さんに合った処方の提案もできるのです。
他にも、腎機能が低下してきた患者さんであれば、腎臓に負担が少ないお薬を処方提案することもできます。
どうやって在宅医療がはじまるのか
薬剤師による在宅医療の始まりは、一般的に医師の指示が必要です。
しかし現在は、ケアマネージャーから、直接薬局へ相談が来るケースが増えていきました。
もし、現在親戚が独居で生活されていて、お薬の管理が難しくなってしまったら、医師だけでなく、ケアマネージャーや薬剤師にも遠慮なく相談してみてもいいと思います。
特に薬剤師は薬学的な分野からアプローチすることもできますし、多職種(医師やケアマネージャー等)と連携し、可能な限り、自宅で在宅医療サービスを提供できるようにアドバイスもしてくれるでしょう。
このように薬剤師は薬局内で調剤をしているだけでなく、在宅医療の面でも関わっていることを知っていただければ幸いです。
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